タイトル一覧
ライダーとランナー
長い直線の道。
自転車を漕いでいる男。
ayoan
しばらく進むと、先の方にランニングをしている男がみえてくる。
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ランニングをしている男のところまで少し自転車を漕ぐペースをあげる男。
追いつくと、自転車の男はランニングの男の横へついて、ペースを合わせて進む。
ランニング男は若干辛そうな顔で、見向きをせず走り続ける。
自転車の男は無理に話しかける事をせずに少しペースをあげ前を走る。
時々振り返ってランニング男の様子をみると、さっきより顔が穏やかになっているようだった。
ayoan
人を見るのはいつぶりかな?と思う自転車を漕ぎながら思う男。
いつから自転車に乗って移動しているのか。
どこに向かっているのか思い出せない自分に気がつく。
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走っている男は少し前を走っている自転車に乗っている男の背中を見て、どうしたものかと思う。
明らかに自転車の男は自分の走るペースに合わせて自転車を漕いでいる。
走るペースをあげて自転車に近づいていく。
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どうしたものか、走る男は自転車のペースに追いつこうと頑張るが、一向に近づけない。
自転車を漕ぐ男の姿は、逃げる様子もなく、平然としている。
一方、自転車の男は少しペースを落とし、後ろを走る男を気にかけるが、それに合わせるかの様に、走る男は依然、自分との距離を保っているかのようだ。
ayoan
走っている男は自転車の男に追いつこうとペースを乱したためか、急激に疲れを感じて走れなくなりついには立ち止まってしまう。
自転車に乗っている男は一度走っている男に合わせたペースから抜け出せず、ついには自転車を降りて立ち止まってしまう。
両手を足の両ひざにつき下を向いている走っていた男。
片手で自転車を支えて上を見上げている自転車の男。
こんなはずではなかったのにな。
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二人はお互いを見ては顔を背け、しばらく止まったまま時間を過ごした。
走っていた男は呼吸が整ってきたところで、カラダを上げ、先に向かってゆっくりと歩き出す。
同時に自転車の男も自転車を横に支えながら先へ歩き出す。
しばらくすると、歩みを進めている二人の距離は縮まってきているようだ。
ayoan
徐々にペースを上げていく走っている男。
道はずっと真っ直ぐ視界を左右に割って続いている。
しばらく走っていると男は一人で走っているのに気がつく。
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