タイトル一覧
寝室
夜も深く、車も通らない県道沿いにある一軒家。
外からは部屋窓が見えている。
カーテンが少し開いていて間接照明が薄暗く光ってみえる。
ayoan
部屋は寝室で、大きなキングサイズのベッドが置かれている。
照明の脇、透けたネグリジェ姿の若い女がベッドの端に寄りかかり、タバコをふかしている。
道路に立つ街灯の白熱光が窓から差し込み、間接照明の柔らかい光と交差している。
女がふかす煙が光の中に入り込む。
ayoan
一匹のフェレットが音もなくベットの上に飛び乗り、女のそばへ寄ってきて、何かを求める様に女を見上げる。
女は機械のようにフェレットを撫でる。女の長い指がフェレットの身体の上を流れる様に動く。
ayoan
家の呼び鈴が鳴った。
ayoan
呼び鈴の音にフェレットが反応して首をぐいっと音の方に向ける。
指先でさっきまでのフェレットの柔らかな皮膚と体毛が緊張で少し強張ったのを感じる女。
ayoan
女は何もなかった様にタバコを吸い続け、フェレットを撫でる。
コンコンコンとドアをノックする音。
コンコンコン。コンコンコン。コンコンコン。コンコンコン。コンコンコン。
ayoan
しばらくして、ノックは止んだ。
タバコを吸い終えた女はネグリジェの上に、脱ぎ捨ててあったコートを羽織って寝室から出た。
ayoan
フェレットは女を追いかけて寝室を出ようとするが目の前でパタンとドアが閉まる。
早足で歩く女の足音を追いかけながらドアを見つめるフェレット。
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女は玄関へ向かう途中で気を取り直し、キッチンへ行き一枚の料理プレートに水道水を入れた。
プレートを片手で持ち、ふらふらと危なげな姿勢でゆっくり寝室へ戻った。
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窓越しに一台のバンが通り過ぎて行く。
ayoan
通り過ぎたバンの後ろ姿を眺めながら灰皿代わりにしていた空き缶に吸い殻を入れる。
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窓越しに見える道路脇に一台のバンが停車した。
40代くらいに見える男ご車から降りて、女の居る家に向かって歩いて来る。女はフェレットを抱き上げて家の玄関へゆっくりと向かう。
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